8月25日(日)から27日(火)まで、「第7回長崎地域医療セミナー in GOTO」が五島市において下記のプログラムで開催されましたが、本学からは潮谷有二人文学部長(センター長)、吉本知江子講師他4人の教職員と地域包括支援学科の学生14人の計20人が参加しました。また、本セミナーを開催するに当たって本学学生と長崎大学医学部生からなる実行委員会が組織されましたが、実行委員は何度も事例検討などの協議を重ねながら本セミナーの開催準備に尽力してくれました。なお、本セミナーは本年度から「地域包括支援実習」として単位化されており、実習授業の1つとして位置づけられています。
講師の先生方からは「地域」をキーワードに医療や福祉についてそれぞれのご専門の立場から地域医療を進める上での貴重なご示唆をいただきました。
また、学生たちの主体的な学びの場であるワークショップでは、どのグループも事例のアセスメントや具体的な支援方策等について積極的に意見を述べ合いながら地域で多職種が連携して利用者(患者)を支えるための完成度の高いプロダクトを仕上げ、発表することができました。質疑応答では、指導者側から医療や福祉に関する専門的な助言をいただき、学びをさらに深めることができました。
今回のセミナーで学んだことを単なる実習体験にとどめることがないよう、参加した学生たちは、医療?福祉連携センターが定例的に開催している事業企画委員会において、五島セミナーでの成果をそれぞれプレゼン発表することにしております。
なお、講義の概要や参加学生の様子は既に本センターFACEBOOKに掲載しておりますので、ご参照ください。
第1日 8月25日(日) |
12:30~12:45 開会挨拶 ?長崎大学離島医療研究所 所長 前田隆浩 先生 ?長崎純心大学 人文学部長(センター長)潮谷有二 先生12:50~13:30 講義①「10年後を考え、あなたはどんな医療を学べばいいのか?」 ?米国社団法人 野口医学研究所 理事長 佐野 潔 先生 13:35~14:05 講義②「対馬という離島の産科診療、婦人科診療」 14:10~14:40 講義③「地域共生社会に向けた医療と福祉の連携」 14:40~15:40 ワークショップ①「アイスブレイク、事例紹介」 15:45~16:15 講義④「急性期病院におけるソーシャルワーク」 16:20~16:50 講義⑤「地域医療を支えるリハビリテーション:私の思い」 16:50~17:20 ワークショップ②「事例のアセスメント(要望、課題、 ニーズを書き出す)」 18:30~20:00 ウエルカムレセプション |
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第2日 8月26日(月) |
7:30~12:00 フィールドワーク「施設見学」 長崎県五島中央病院、五島市長寿社会課、只狩荘、聖マリア病院、長崎県奈留医療センター、久賀診療所、 伊福貴診療所、長崎リハビリテーション病院現地訪問宅、山内診療所13:15~14:45 ワークショップ③「長期目標と短期目標を考える。」 ?学生実行委員 14:45~15:15 講義⑥「医療者のプロフェッショナリズム」 15:20~15:50 講義⑦「離島の保健所」 15:50~17:30 ワークショップ④「具体的な支援策を考える。」 18:30~20:00 懇親会 |
第3日 8月27日(火) |
8:30~9:40講義⑧「大切な人を救うために胸骨圧迫とAEDG2015より」 ?長崎大学病院高度救命救急センター 准教授 山下和範 先生9:45~10:45 ワークショップ⑤「発表準備(長期目標、短期目標、支援方法の確認」 ?学生実行委員 11:00~12:45 ワークショップ⑥「発表?質疑応答」 12:45~13:30 アンケート記入、総括 14:00~15:00 地域体験学習 |
学生感想~五島セミナーに参加して~
- 地域包括支援学科4年 森万里子
今回五島セミナーに実行委員としての参加をさせていただきました。五島セミナー自体の参加も初めてで不安がとても大きく、分からないことばかりでした。また、講師の先生や学生が行うワークショップづくりなどの中でも事例作成は一番大変でした。先生方にも協力をしてもらいながら期間もぎりぎりではありましたが無事につくり上げることができ、作成するにあたって長大の医学部生の方と検討していくことでそれぞれの違った視点を共有することができ、他職種との連携の必要性についても実感することができました。セミナーの準備から当日の運営すべてにおいてとても貴重な経験ができ、実行委員を務めることができ本当によかったと思っています。
今回の経験を今後の学習や就職後の現場に活かすことができるように今後もより一層の努力をしていきたいと思います。
- 地域包括支援学科4年 矢野百夏
今回地域医療セミナーに初めて参加し、実行委員としても参加させていただきました。実行委員の医学生と話し合い、事例作成などを行ないましたが、福祉の視点から根拠を持ち意見をするということの難しさを改めて感じました。また、自分自身の視野の狭さや、知識不足など多くの課題を見つけることができました。講義やワークショップを通して、地域医療や地域福祉についての本質的な部分を学ぶ非常に貴重な経験となりました。
地域医療セミナーの経験を残りの大学生活でも活かしていくこと、また、将来現場に出た時に医療の視点と福祉の視点の両面から支援し多職種連携ができるように頑張りたいと思います。
- 地域包括支援学科2年 荒木芽衣
地域医療セミナーに参加してみて、多職種連携をしていくには、まず専門的知識を身につけること、自分の考えをきちんと持つこと、そしてそれを発信していく力が必要であるということを学びました。地域医療セミナーに参加する前は、人とコミュニケーションをとることが苦手でしたが、ワークショップや施設見学を通して、自分の意見をきちんと伝えることの大切さを理解することができ、今後の自身の課題となりました。また、ワークショップを通して、クライエントのニーズに対応するには福祉的視点と医学的視点では異なることを知り、普段聞くことができない医学的な意見を聞けたことがとても貴重な体験となりました。そして、新たな視点で地域医療について考え直すことができました。
このように地域医療セミナーでは新しい発見や意見が聞けたことと共に自身の知識不足を痛感しました。今後、専門分野の知識を深めること、そして自分の意見を伝えることができるように積極的にコミュニケーションとっていこうと思いました。
- 地域包括支援学科2年 山中聖奈
五島セミナーに参加して、離島の医療について学べました。私は施設実習で聖マリア病院に行き、医療やMSWの仕事内容を学べたこと、施設見学で現場での仕事を間近に見ることができたことなど、貴重な体験ができました。
ワークショップでは、私は福祉の視点からの考えしか持っていませんでしたが、医学部の学生からの医療の視点での考えを聞いたことにより、医学面からのアプローチも合わせた支援を行ったほうが、より高度なサービスを提供することができると考えました。
今回の実習で学んだことを今後の実習や考えなどに繋げていきたいです。
- 地域包括支援学科2年 岳下航太
私は今回のセミナーに参加して良かったと感じています。先生方の講義で離島の課題に触れることで、ミクロの部分まで視野を広げることができました。事例検討の際には、普段会話することのない長崎大学の医学部生と意見を出し合うことで、自分のレベル、知識の乏しさを痛感させられ、福祉のことはもちろん、他の分野についても理解しておく必要があると思いました。また、多職種連携の重要さを改めて実感させられました。
私はこのセミナーに参加することで、自分の課題が何なのか、それを認識することができました。自分の課題が何か分からないなど、自分のことを知るという意味でも、是非参加してほしいです。参加する事に意味があるし、セミナーが終わった後は自分自身の視野が広がると思います。