2024.11.27大学からのお知らせ

日本原水爆被害者団体協議会の2024年ノーベル平和賞受賞に寄せての四大学共同声明

四大学共同声明発表

去る11月25日、このたびの日本被団協のノーベル平和賞受賞を受けて、長崎県内のキリスト教系4大学(活水女子大学、長崎外国語大学、鎮西学院大学、長崎純心大学)の学長たちは共同声明を発表いたしました。

共同声明では、「核兵器のない世界を実現するための道筋と、世界の平和を達成するための方法を見出すのは、我々大学に身を置く者の使命」と強調したうえで、坂本学長は、長崎が最後の被爆地となるため、核兵器禁止条約への署名?批准を日本政府に訴えました。

4大学は、来年、原爆投下から80年を迎えるにあたって、学生を主体とした合同フォーラムやシンポジウムを企画する予定です。共同声明は次のとおりです。

日本原水爆被害者団体協議会の2024年ノーベル平和賞受賞に寄せての四大学共同声明

2024年のノーベル平和賞に、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)を選んだとの、ノーベル平和賞選考委員会の発表を、被爆地長崎の四つのキリスト教主義大学、鎮西学院大学、長崎外国語大学、長崎純心大学、活水女子大学は心から歓迎すると同時に、この機会にこれまで日本被団協が積み重ねてきた核兵器廃絶と平和へ向けての努力に、最大限の敬意を表したいと思います。

日本被団協の方々が被ばく者の立場から、核兵器の恐ろしさと平和の尊さを訴え続けてきたことは今更言うまでもありません。我々長崎の四つの大学も、原爆災害により、直接、間接に多くの犠牲と被害を被ったという歴史があります。我々にとって、核兵器の存在は決して他人事ではありません。とても残念なことに、現在の国際社会を見渡せば、ウクライナ、中東ガザ、レバノンでの紛争をはじめ、戦禍はむしろ拡大している印象を拭えません。さらにアメリカ、ロシア、中国という軍事大国間の緊張も一向に緩和される兆候はありません。核兵器が再び使用される危険性を危惧する声も広まっています。そのような背景の下での今回の日本被団協のノーベル平和賞の受賞です。

長崎において長らく核兵器廃絶運動の先頭に立たれ、ご自身も被ばく者であった、土山秀夫元長崎大学学長は、「核兵器廃絶のためには、理性と感性が車の両輪のように並んで進まなければならない」とよく口にされていました。これまで被ばく者の方々は、想像を絶するほど悲惨な自らの体験を語ることで、核兵器の恐ろしさと、その廃絶の必要性を多くの人々の感性に働きかけてきました。

そして、人々の理性に働きかけ、核兵器のない世界を実現するための道筋と、世界の平和を達成するための方法を見出すのは、我々大学に身を置く者の使命であると考えます。また、これからの核兵器廃絶を担う若い世代を育成するのも教育に携わる者の責任です。今回、日本被団協のノーベル平和賞の受賞に際し、被ばく者の方々の、核兵器廃絶と世界の平和の達成へ向けての努力に改めて敬意を表すると同時に、我々被爆地長崎にある大学として、核兵器のない世界の実現へ向けて、より一層努力する決意を表明いたします。

2024年11月25日

鎮西学院大学 学長 姜 尚 中
長崎外国語大学 学長 石川 昭仁
長崎純心大学 学長 坂本 久美子
活水女子大学 学長 広瀬 訓

「記者会見」於:活水女子大学(長崎市)

(共同声明の英訳)