10月23日(月)、「社会心理学特論(産業?労働分野に関する理論と支援の展開)」の授業で、三菱重工業で心理職として働いている川口知子先生(公認心理師?臨床心理士)による講義が行われました。
川口先生は、長崎県でも数少ない産業領域のカウンセラーで、本学の学部と院を修了されており、院生にとっては素敵な大先輩にあたります。
講義のテーマは「産業組織領域で心理職として働くにあたり期待されていること」。
今回、後輩のために最も役に立つことを話したいと、どんなことを聞きたいか受講生(院1年)に事前アンケートをとり、それに回答する形でお話しいただきました。
院生たちはとても関心を持って聞いており、産業領域の心理職のやりがいと魅力を実感したようでした。活発な議論も続きました。
院生の感想(抜粋)
- 先生の職場におけるシステムや連携の在り方に感動するとともに、そこには先生の職場に対する理解や心理的な支援を行う知識と実践の力が非常に大きかったのだろうと思いました。社内研修の内容やコツについても教えていただき、「研修をするだけ」でなく、しっかりと解決すべきところに目を向けていく重要さを学びました。
- 産業組織領域での働き方を改めて知ることができました。特に職場が「働く場所である」ということは、普段学んでいる心理の視点では見逃してしまうことだと感じました。だからこそ社内の不調者対応や復職などの支援の方向性が明確であり、心理職としての支援等を考えていく中でも相談者本人だけでなく、組織全体としての支援へと繋げているのが印象的でした。
- 産業分野で働く心理士は会社適応を改善するという目的のもとで支援を行うからこそ、相談者の視点だけではない俯瞰した視点を持つことが求められるという事を強く感じました。
- 特に印象に残ったこととして、復職支援についてであり、休業を繰り返すことで休業者の負担、会社の負担など双方が負担にならないように休業での支援をしっかり行うことが大切だということを感じました。