【第2回】最先端のテクノロジーを活用した介護現場 ― 卒業生へのインタビュー

介護の現場では、質の高い人材の養成/確保が重要な課題となっています。現在、仕事の内容や方法を見直したり、機械やコンピューターなどを使った効率的な仕事のやり方を進めて職員の負担を軽減し、ゆとりを持って利用者とのふれ合いを重視した介護が実践されています。

長崎県社会福祉協議会の広報誌「ながさきのふくし」9月号にICT機器の導入の先駆的な取り組み施設として、「介護老人福祉施設のぞみの杜(長与町)」「介護老人福祉施設プライエム横尾(長崎市)」の2施設が紹介されました。2施設では本学ケアワークコースの卒業生が活躍しています。

最先端のテクノロジーを活用した介護現場
―ICT?介護ロボットを導入している施設長&現場スタッフへのインタビュー

高本絵美さん

(2003年度卒業)

 

社会福祉法人平成会 介護老人福祉施設プライエム横尾

施設長

純心の介護福祉教育は今の実践にどう活きていますか?

久しぶりに先生たちとこうやって顔を合わせてお話しして、卒業時とほぼ変わらない先生たちの姿を拝見して、大学時代を鮮明に思い出しました。先生方に日々の勉強や実習での悩みを聞いてもらいアドバイスを頂いたことや、介護福祉コースの仲間たちと、「ああじゃないか」「こうじゃないか」などたくさん想いを伝えあいながら、テストや実習、卒論などを、大変だと言いながらも、楽しみながら乗り越えてきたことを懐かしく感じます。

一方で、働きだして20年経った今も、よくよく考えると、施設で働く様々な職種の仲間たちと、たくさんそれぞれの想いを伝えあいながら、施設の理念である『わがままな生活の提供』のために、上手くいくことばかりではありませんが、自分たち自身も楽しみながら、日々働いていることは、大学時代と何も変わらないなぁと改めて今回実感しました。

介護福祉の知識や技術は日々進歩していますが、長崎純心大学で先生方が教えてくれた「介護福祉の楽しさ」、そして介護福祉コースの仲間たちと培った「仲間と想いを共有しながら目指す方向に向かって取り組んでいくこと」、この2つは今でも私の原点になっていると感じます。

これから介護を目指そうとする人へメッセージ

時代とともに介護の仕事も変わってきており、今は、根拠に基づいて質の高い介護を行う「科学的介護」が行われています。世間一般では、「目の前にいる要支援者に介護を行うこと」が介護の仕事というイメージが強いと思いますが、科学的介護では、日々の客観的なデータを根拠として、予測したケアを行い、利用者の状態改善?向上?維持?予防に繋げる、誰にもできることではない、専門的な仕事を行っています。

私自身も、施設を管理する立場としても、専門性をもち生き生きとケアを行う介護職員のかっこよさと頼りがいを日々実感しています。ぜひ勉学のみならず、実習など多くの体験を通し、介護の魅力に触れ、介護の仕事の楽しさを実感してもらいたいです。

 

吉田雄貴さん

(2014年度卒業)

 

社会福祉法人平成会 介護老人福祉施設プライエム横尾

施設ケアマネジャー

純心の介護福祉教育は今の実践にどう活きていますか?

私は平成27年3月に長崎純心大学を卒業し、同年4月に社会福祉法人平成会に入社をしております。大学在学中は介護福祉コースに在籍し、他11名の介護コースの仲間と一緒に介護について勉学に励んできました。大学在学中は設備の整った介護実習室で食事、排せつ、入浴等介助方法の基礎を学んだことや、実際に複数回にわたる介護施設での実習を行わせていただいたことで、社会人になり始めた時も身体介護技術はもちろんですが、対利用者様への関わり方やコミュニケーションの図り方も比較的スムーズに実践することができたと思います。同コースの仲間と一緒に介護技術の研鑽を積んだことや介護福祉士資格取得という共通の目標を持って共に勉学を励んだことは、現在職場でチームケアを行っていく上での行動原理の礎となっています。

また、私自身新卒で現在の会社に就職し10年近くになりますが、部下を指導する立場にもなりました。大学在学中に先生方に実習の思いや悩みを聴いて頂いたことは現在私自身スーパーバイザ―としての役割を担っていく上で参考になっていることが大きいです。

これから介護を目指そうとする人へ

高校、大学、社会人等様々な立場から介護を目指される方がいらっしゃるかと思います。介護自体は資格がなくともできる仕事ではありますが、残念なことに人手不足の所も多く
「やってみたい」と思う方も多くはないと思います。なのでまずは介護の仕事を「やってみたい」と思ったご自身を誇りに思ってください。誰もがやれない仕事をどんなきっかけがあれど「やってみたい」と思ったことは素晴らしいことだと思います。

ご利用者様は一人ひとり生活背景等異なります。その為、ご利用者様と関わらせていただくにあたり、介護者の様々人生の経験や知識が活かされることがあります。今介護の仕事を目指され勉学に励まれているかと思いますが、同時に福祉分野のみならず、仕事(バイト)、ボランティア、習い事、遊びなど様々な経験に可能な限り触れてみてください。介護の仕事に就いた際に活かされる時がくると思います。頑張ってください。

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