8月29日(土)、「SUMMER CAMP 2020 in HIRADO」がリモートで開催され、本学からは地域包括支援学科の学生18人と足立耕平センター長他4名の計23人がオンラインで参加しました。SUMMER CAMPは、例年この時期に平戸市で開催されておりましたが、今年は新型コロナウィルス感染防止のためリモートでの開催となったもので、医師や医療従事者、医学生など最大時106もの回線がオンラインで繋がるなどの盛況ぶりでした。
冒頭、開会の挨拶をされた押淵院長は、すでに1985(昭和60)年から平戸市紐差地区で予防医学の必要性を痛感され、病院から集会場などの地域に直接出向き、出張集団検診や健康教室等のいわゆる地域包括医療?ケアを35年にわたり実践してこられたわが国における地域包括ケアシステムの先駆者のお一人です。
地域医療講演会Ⅰでは、今立先生と加藤先生が離島での地域医療の実践を通して、その背景にある住民の暮らしや地域社会の特性という観点から病気を捉えること、地域と向き合い住民に当事者として協力してもらうことなどをお話いただきました。
地域医療講演会Ⅱでは、吉田先生、有吉先生、池田先生が、発展途上国における医療の実態や課題を紹介されながら、人種や国境などを越えて共通の目的に向かって活動することはもとより、限られた環境でベストな解決方法を見つけること、診療所だけでなく自ら地域に出向き地域を診ることなど、地域医療講演会Ⅰと軌を一にするお話をいただきました。
今回のSUMMER CAMP では、医療の視点からの講義が主でしたが、学生たちはグループワークでのディスカッションを通じて、「患者だけではなく地域を診ることは福祉にも共通していること」、「医療も福祉もよりよく地域にサービスを提供することだけでなく、地域から理解され、信頼されることが大切」、「福祉に関わる自分たちにできることは何か」など、多くの学びを得ることができていました。
最後に、足立センター長から志を高く持ち、その実現に向かうには普段の生活に安住することなく、常に課題意識を持ちながら日々努力することが大切であること、また地域医療セミナーとSUMMER CAMP の計3日間の地域包括支援実習で学んだことを明日からの学びに活かして欲しい旨の総括がありました。
なお、SUMMER CAMP講義の内容や学生たちの様子は、医療?福祉連携センターFacebookに掲載しておりますのでご参照ください。
?SUMMER CAMP 2020 in HIRADO プログラム
午前 |
10:00~ オリエンテーション
11:00~ 地域医療講演会Ⅰ
12:40~ ランチョンセミナー
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午後 |
13:30~ 地域医療講演会Ⅱ
?15:10~ 閉会
15:25~ ディスカッション(実習における学びと疑問について)
17:00~ 振り返り(本学教員からのコメント) |
実習生の感想(一部)
今回の平戸セミナーで、地域医療に関わる医師の専門職としての情熱や創造力、不屈の精神力を知った。
個々に医師としての考え方を備えており、色々なことに目を向け配慮している。社会福祉に携わる私たちも、そのような姿勢で仕事に携わることが求められる。そして実践現場では、互いの専門的な力を出し合い、人を支えていきたいと感じた。
在宅レクチャーでは、筋萎縮性側索症の患者の動画を見せてもらい、医学一般で学んだ病名が、人工呼吸器や胃瘻をしなければならないほど重篤な病態になることも学ぶことができた。先生方の貴重な講話を聴ことができたのは貴重な体験であった。これからの学びに役立つと感じる。